AIO対策を踏まえたホームページ制作|仕様に入れる項目と、やらなくていいこと
AIO対策を踏まえたホームページ制作で決めることは、Googleがページを読める状態にしておく技術条件、1ページ1テーマの情報設計、会社や実績といった判断材料、そして公開後に記事を足していく運用の4つです。Googleは、AI Overview(AIによる概要)に表示されるための特別な最適化は必要ないとしており、専用のファイルや「AIO対策済み」の仕組みを買い足す必要はありません。
この記事では、レジットが2026年9月にホームページ制作・LP制作に関する46キーワードで調べたAI Overviewの引用元の傾向と、発注時にそのまま仕様書へ貼れる項目のテンプレートを載せています。AIO対策をうたう制作会社を比べる前に、自社で決めておくことを整理する材料にしてください。
AIO対策を踏まえたホームページ制作で決める4つのこと
制作の段階で決めておくのは、次の4つです。どれも通常のホームページ制作の延長にあり、AIのためだけの作業ではありません。
- 技術条件:公開するページがGoogleにクロールされ、インデックスされ、検索結果に説明文(スニペット)を出せる状態にする
- 情報設計:サービスごとにページを分け、各ページの冒頭で「誰に、何を、どこまで」を言い切る
- 判断材料:会社概要、実績、料金の考え方、よくある質問を、文章で読める形で用意する
- 公開後の運用:お客様の疑問に答える記事を足し、検索とAI Overviewでの見え方を確かめ続ける
2の「言い切り」は、たとえば「東京の中小企業向けに、WordPressでのコーポレートサイト制作を、原稿づくりから公開後の保守まで請け負います」のような1文です。対象、サービス、範囲が1文で分かると、読者にもAIにも、そのページが何の答えなのかが伝わります。
AIO対策そのものの意味や、SEO対策との違い、引用されやすい記事の書き方は、AIO対策とは?SEOとの違いと、AI Overviewに引用される記事の作り方にまとめています。この記事では、ホームページを作る側、発注する側の目線に絞ります。
AI Overviewの引用元の約3分の2は、通常の検索でも1ページ目にあるページ(レジット調べ)
私たちが調べた範囲では、AI Overviewに引用されたページの約3分の2は、同じ検索の通常の結果でも1ページ目に表示されていました。AI Overviewに載るための近道は、まず通常の検索で上位に入ることだと言えます。
調べ方は単純です。2026年9月14日に、ホームページ制作・リニューアル・LP制作に関するキーワード46語をGoogleで1回ずつ検索し、AI Overviewの有無と引用元のリンク、通常の検索結果の1ページ目を記録しました。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 調べたキーワード | ホームページ制作・リニューアル・LP制作に関する46語 |
| AI Overviewが表示された語 | 45語 |
| 引用元のリンク(45語の合計) | 287件(1語あたり平均約6.4件) |
| そのうち通常の検索でも1ページ目にあったページ | 192件(約67%) |
| 最も多く引用されたサイト | YouTube(35件) |
発注を検討する人が調べるような言葉でも、ほぼすべての検索でAI Overviewが出ていました。一方で、引用元の約3分の1は通常の検索の1ページ目に入っていないページです。順位が届いていなくても、問いにずばり答えている段落があれば引用される余地がある、ということでもあります。YouTubeが最も多く引用されていた点も見逃せません。手順や作業の様子を動画で見せられる会社は、ページに動画を添える価値があります。
なお、この数字は1回の検索を1つの環境で記録したものです。検索する人のログイン状態や地域で結果は変わるため、傾向をつかむ目安として読んでください。
Googleが示す条件は「インデックス」と「スニペット表示」だけ
GoogleがAI Overviewの引用元になる条件として挙げているのは、ページがインデックスに登録され、検索結果でスニペットを表示できることだけです。Google検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」には、次のように書かれています。
AI による概要や AI モードでサポートリンクとしてページが表示されるには、ページがインデックスに登録されており、Google 検索でスニペットが表示され、検索の技術的要件を満たしている必要があります。これ以外に追加の技術要件はありません。
Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
同じページでは、AI機能のための特別な最適化は不要としたうえで、これまでのSEOの基本として、クロールを妨げないこと、内部リンクでページを見つけやすくすること、重要な内容をテキストで示すこと、構造化データをページに表示される文章と一致させることなどを挙げています。
制作の現場で見落とされやすいのは、「表示させない」設定が残ったまま公開されるケースです。制作中のテスト環境で付けた検索除けの設定をそのまま本番に持ち込んだり、スニペットの長さを制限する指定を入れたりすると、AI Overviewにも出られません。Googleも、AI機能に表示される情報を制限する方法として、nosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindexの指定を挙げています。公開前の確認項目に必ず入れておきたい点です。
制作会社に頼むことと、社内で用意するもの
AIO対策を踏まえたホームページ制作では、仕組みづくりは制作会社、中身の材料は社内、と分けて考えると進めやすくなります。AIが引用するのはページに書かれた文章なので、材料が薄いと、どれだけ設計を整えても引用される理由が生まれません。
| 領域 | 制作会社に頼むこと | 社内で用意するもの |
|---|---|---|
| 技術条件 | インデックスの確認、サイトマップ、表示制限の点検 | Search Consoleの管理権限 |
| 情報設計 | サービス別のページ構成、内部リンク | 各サービスの対象・範囲・強み |
| 判断材料 | 実績・会社概要・FAQのページの型 | 実績の中身、よく受ける質問 |
| 構造化データ | 会社・記事・パンくずの設定 | 正式社名、所在地などの正確な情報 |
| 公開後 | 記事の設計と制作、計測 | 記事のテーマになる現場の知見 |
社内の材料で差がつきやすいのは、「よく受ける質問」と「実績の中身」です。営業やサポートの担当者が実際に聞かれている質問は、そのまま検索する人の問いになります。店舗や地域のお客様が多い会社は、Googleビジネスプロフィールの情報もAI検索で参照されます。その整え方はMEOとAIOの違いと関係で説明しています。
発注時に仕様へ入れる項目テンプレート
見積もり依頼や仕様書にそのまま貼れる形のテンプレートを用意しました。制作会社によって呼び方は違っても、この項目が含まれているかを確かめるだけでも、提案の比較がしやすくなります。
【AI検索(AIO)を踏まえた要件】
1. 公開時の技術条件
- 公開するページに noindex / nosnippet / max-snippet の制限を付けない(意図して非公開にするページを除く)
- robots.txt やサーバー、CDNの設定で Googlebot のクロールを妨げない
- XMLサイトマップを出力し、Search Console に登録する
- 料金・対応範囲・所在地などの重要な情報は、画像ではなくテキストで掲載する
2. 情報設計
- サービスごとにページを分け、1ページ1テーマにする
- 各ページの冒頭に「誰に・何を・どこまで」を1〜2文で書く
- よくある質問は実際の問い合わせ内容から作り、本文に掲載する
- 関連するページ同士を内部リンクでつなぐ
3. 信頼情報
- 会社概要(正式社名・所在地・連絡先・代表者)を1ページにまとめる
- 実績・事例のページを用意する(公開できる範囲で業種・課題・結果)
- ブログ記事には著者名(または編集部名)と公開日・更新日を表示する
4. 構造化データ
- 会社情報(Organization)、パンくずリスト(BreadcrumbList)、記事(Article)を出力する
- 構造化データの内容を、ページに表示している文章と一致させる
- テーマとプラグインで同じ構造化データを二重に出力しない
5. 公開後
- Search Console と Googleアナリティクスの管理権限を発注側にも付与する
- 記事を追加できる投稿機能を用意し、更新の担当者を決める
項目の多くは、きちんとしたホームページ制作なら元から含まれている作業です。テンプレートを渡したときに「それはAIO対策の別料金です」と言われた項目があれば、何が追加の作業なのかを具体的に聞いてみてください。
やらなくていいこと、効果を過信しないこと
AIO対策の名目で提案されるもののうち、Googleの公式情報に照らして優先度が低いものがあります。予算を回すのは、前の章の項目が済んでからで十分です。
- llms.txtの設置:AI向けにサイトの概要を書くファイルです。Googleは2026年6月の更新で、Google検索には必要ないと明記しました。
- FAQの構造化データによる見た目の拡張:よくある質問のリッチリザルトは、2026年5月7日以降Google検索に表示されなくなりました。質問と回答を本文に書くこと自体は、読者のためにも有効です。
- 「AI専用」のマークアップ:Googleは追加の技術要件はないとしています。読者に見えない情報をAI向けに構造化データへ書き込むのは、Googleの構造化データのガイドラインにも反します。
llms.txtについて、Googleの更新履歴には次の説明があります。
これらのファイルは Google 検索には必要ない(可視性やランキングにプラスにもマイナスにも影響しない)が、これらのファイルを使用するほかのサービスやシステムのために維持したい場合は問題ないことを明確にするためです。
Google 検索セントラル「ドキュメントの更新履歴」
置いて害はありませんが、Google検索のAI Overviewに載るための条件ではありません。All in One SEOのように、llms.txtを自動で作るWordPressのSEOプラグインもあります(レジットのサイトでもこの機能で出力されています)。そのため、追加の費用をかけて作るものではないと考えてよいでしょう。
公開後に記事を足す運用で差がつく(匿名事例)
ホームページは公開して終わりではなく、お客様の疑問に答える記事を足していくと、検索とAI Overviewの両方から人が来るようになります。レジットがAIO対策を前提に記事の設計と制作を担当した、ある既存サイト(約960ページ、業種は非公開)の例を紹介します。
- 追加したのは、SEOコンサルタントが競合を調べて構成を設計し、AIを活用して作成した3,000字以上の記事4本
- 公開から約3か月半たった時点の約1か月(6月15日〜7月19日、Search Consoleの実測)で、サイト全体の検索クリック約1万件のうち、2,264件をこの4本が占めた(全体の22.5%)
- 4本の平均掲載順位は6.2位で、狙ったキーワードではAI Overviewの引用元にも表示された
4本すべてが同じように伸びたわけではなく、クリック数には記事ごとに大きな差がありました。当たる記事を事前に決めきることはできないので、検索の意図を調べたうえで本数を重ね、伸びた記事の周りを厚くしていく進め方をとっています。
制作の段階で投稿機能と更新の担当者を決めておくと、この運用にすぐ移れます。記事の作り方はAIO対策とは?SEOとの違いと、AI Overviewに引用される記事の作り方で詳しく説明しています。
見積もりで確認したいこと
見積もりでは、「AIO対策一式」のようなまとめた項目ではなく、どの作業にいくらかかるのかを分けて書いてもらうのが安心です。確認したいのは次の3点です。
- テンプレートの項目のうち、基本料金に含まれるものと、追加になるもの
- 原稿は誰が書くのか。社内の材料を取材して文章にする作業が含まれるか
- 公開後の記事制作や計測を頼む場合、月々の費用と作業の範囲
AI Overviewへの掲載や順位を約束する提案には注意してください。Googleが条件を公開していない以上、掲載は誰にも保証できません。契約前に確かめたい点はホームページ作成を依頼するときの注意点にもまとめています。
よくある質問
発注前の相談でよく聞かれる3つの質問に答えます。
今あるホームページでもAIO対策はできますか?
できます。作り直さなくても、表示制限の点検、サービスページの冒頭の書き直し、会社概要や実績の整理といった作業なら、今のサイトのままで着手可能です。デザインが古い、スマートフォンで見づらいといった別の課題もあるなら、ホームページリニューアルの進め方とあわせて検討してください。
AI Overviewに載ったかどうかは、どこで確認できますか?
Search Consoleの検索パフォーマンスで確認します。GoogleはAI機能に表示された分も、検索タイプ「ウェブ」のデータに含めて計測すると説明しています。AI Overviewだけの内訳は出ないため、狙ったキーワードを実際に検索して引用元を確かめる作業も並行します。
AIO対策のために特別な制作会社を選ぶ必要はありますか?
ありません。見るべきは「AIO対策」という看板より、テンプレートの項目を当たり前に満たせるか、公開後の記事運用まで相談できるかです。
まとめ
AIO対策を踏まえたホームページ制作は、特別な仕掛けを足すことではなく、Googleに読まれる状態を整え、答えになる文章と判断材料を用意し、公開後に記事を足していくことです。まずは、この記事のテンプレートを今のサイトや検討中の見積もりと突き合わせ、抜けている項目に印を付けてみてください。
新しく作る場合の進め方や費用はレジットのコーポレートサイト制作で紹介しています。テンプレートの項目を自社サイトで確かめたい、どこから手を付けるか相談したいという段階でも、お問い合わせからご連絡ください。
参考・出典
この記事で参照した資料です。