ECサイトの成功事例から見る「KPI」「KGI」の重要度

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こんにちは。ITソリューション事業部 EC部の山田です。

キャラに似合わず。真面目な記事ですが、最後まで読んでくれると嬉しいです。

今回は、ECサイトの成功事例から見る「KPI」「KGI」の重要度を説明します。

そもそも「KPI」「KGI」とは?

「KPI」:【KPI(Key Performance Indicator)重要業績評価指標】

「KGI」:【KGI(Key Goal Indicator)重要目標達成指標】

ビジネスにおいて、最終的な「目標」を定め、その目標を具体的に実現するための「手段」を策定し、その手段がきちんと遂行されているかどうかを測定する「指標」を決める事が必要不可欠です。

KGIは、目標(ゴール)に対する達成度合いを示すものであり、「KPI」は目標達成プロセスの実地状況を測定し示すものである。

簡単にまとめると「KGI」(目標)に向かってプロセスが適切に実施されているかどうかを計測するのが「KPI」となる。

その為、まずは「KGI」(目標)を明確化したうえで、プロセスごとの中間指標(KPI)を設定することが重要です。

WebサイトのKGIを達成するためにはKPIを設定しそれを元に運用を行う必要がありますが、KPIとは当然Webサイトの目的や役割によって異なります。

ECサイトから見る「KPI」「KGI」

ECサイトの目的は、ユーザーに商品を購入してもらい、売上をアップさせ利益を獲得することです。

また、ECサイトのKGIは「売上○○○○万円」「利益○○○○万円」といった値を設定することが王道だと思います。

しかし、ECサイトの売上を○○%アップするには?と考えると思いつく限り手当り次第に施策を行ってしまい…結果KGIを達成できないまま施策が終わっているECサイトが多いかと思います。

どーしたらKGIを達成できるのか?

重要なのは、売上の本質を考える事です。現状の分析を行い、『新規顧客を増やすのか?』『リピートを増やすのか?』『顧客単価を向上させるのか?』施策の重点課題をデータから洗い出す事が重要です。

その上で、適切なKPIを設計します。

新規顧客を中心として場合に取得できるデータを要素別に分類してみると下記のようになります。

①流入数

②コンバージョン

③購入単価

≪ECサイトであれば上記の3点が売上に影響を与える重要なKPIの指標となります≫

各指標を見える化することで個別の施策も検討しやすくなります。

次に、KGIを達成する上でどのような施策を展開するべきかお話したいと思います。

「KGI」「KPI」ECサイト事例をご紹介

年商3000万のECサイトで、年商3900万という目標設定をしたクライアントをご紹介します。

月単位では250万の売上を325万にアップする事がKGI(目標)でした。

施策前の値が下記になります。

①流入数は多い

②コンバージョン0.7%と低い

なぜここまでコンバージョンが低いのか原因を明確にするため、顧客・購買データを分析したところ、次の課題が明確化されてきました。

【分析結果1】

単価の高い優良顧客も最初は安価の商品から購入し、キャンペーン等のイベント時にリピートを経て、徐々に高額な商品を購入している。

●課題

上記の結果から、新規顧客は初回購入において、高額商品の購入するには抵抗があり、まずはサンプル品や単品等の安価な価格帯の商品を購入する。

現状のサイトでは、高額な商品や利益率の良い商品がTOPページに並んでおり、ニーズが噛み合っていないのではないか。

●実施した施策

TOPページになるべく安価で購入しやすい商品や本商品へのリピートへ繋がるサンプル品を設置。

【分析結果2】

サイトの流入数や滞在時間が多いにも関わらず、一覧ページを見ただけで離脱してしまっているユーザーが多い。

●課題

先ほどの【分析結果1】を踏まえると、商品自体は興味を引いているものの価格への不安を感じて断念していると考えられる。

詳細ページへ遷移してもらい商品情報を読んで頂き検討してもらいたい。

●実施した施策

商品画像の差し替え、文言の変更、一覧ページから金額の表示の削除。

【分析結果3】

広告によって露出を高めていた事もあり、新規のユーザー来訪数が増えてはいるが、実際の購入者は多くがリピーターであった。

●課題

新規のお客様に対して、ハードルの高い高額商品が先に目に止まってしまい離脱に繋がっていると考えられる。

●実施した施策

新規のお客様が目の留まりやすい個所に、初回購入の特典を付けたバナーの設置。

結果

・入り口商品として低価格商品やサンプル品の閲覧数が増加

・商品ページへの遷移率の増加

・新規ユーザーの初回購入率の増加

結果、重要なKPIとされた顧客単価は下がってしまったが、コンバージョン率が1.3%まで増加しKGI(目標)を達成することが
できた。

まとめ

今回の成功要因としては、それまで様々な指標を収集し分析するというスタイルを止め、シンプルに必要なKPIの見直しを行った事。

客施策やWebサイトのみの解析ではなく来訪者や顧客がどのようなユーザーなのかをデータ解析し、ユーザー像を元に課題の抽出と仮説を立てられた事が大きな要因だと考えております。

どのような商品・規模のECサイトであっても同様であると弊社は考えております。

WEBの売上に悩んでいる方がいらっしゃれば、まず本来設定すべき「KGI」「KPI」が本当に正しく設定されているか、また解析の範囲は適切か、課題に対する仮説検証が正しく行われているかを客観かつ俯瞰的に見直しをしてみてください。

この記事を書いた人

山田 伸一やましん

EC事業部の山田です。5年前までは経理関係の仕事を主にしており、簿記2級まで取得。ただ・・・・簿記が生かされる事なく・・・現在はEC部マーケティングディレクターとしてネットショップの課題・原因に対して、今までの経験を元に改善策をご提案致します。私生活は基本的にアクティブでスノボが大好きです(#^.^#)

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